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私たちは、「人はどのように身体を動かしているのか」という、人間にとって最も身近でありながら、まだ十分には解明されていない問いに取り組んでいます。
コップを持ち上げる、ボールを投げる、楽器を演奏する。こうした何気ない動作の裏側では、脳が膨大な情報を瞬時に処理し、筋肉へ運動指令を送り続けています。しかし、その情報処理の仕組みには、いまだ多くの謎が残されています。
私たちの研究室では、脳波をはじめとする生体信号を計測し、機械学習や人工知能などの情報学的手法を組み合わせることで、ヒトのの運動意図や、運動を支える脳の状態をリアルタイムに読み解く技術を開発しています。さらに、その技術を利用して、脳がどのように運動を計画し、学習し、より良いパフォーマンスを生み出していくのかを明らかにすることを目指しています。
研究対象は、運動能力の高いアスリートだけでも、運動機能に障害のある患者さんだけでもありません。私たちが着目しているのは、人間に共通する「脳の可塑性」です。脳は経験によって変化し、その変化が新しい技能の獲得や、失われた機能の回復につながります。私たちは、この脳の柔軟な性質を理解し、活用することで、人の運動能力を引き出す新しい方法を探っています。
その成果は、手足の不自由な方が外部機器を操作するBrain–Machine Interface(BMI)の開発や、リハビリテーションにおける運動機能の回復支援だけでなく、スポーツや技能学習におけるパフォーマンス向上など、人の能力を引き出す幅広い応用へとつながります。
神経科学が明らかにしてきた「脳の仕組み」と、情報科学が発展させてきた「データ解析・人工知能」を融合し、脳を理解するだけでなく、その知識を社会に役立つ技術へとつなげることが、私たちの研究室の目標です。
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